ピヴォ跡の「札幌ダイビル再開発プロジェクト」新築工事が着工、竣工は2027年1月末予定
ダイビル株式会社は、「札幌ダイビル再開発プロジェクト」の新築工事に着手し、7月11日に起工式を執り行いました。
同計画は、札幌のメインストリートである駅前通りに面し、かつ地下街に直結する市内有数の好立地に新たなランドマークビルを建設するものです。公共貢献の取組みとして、まちの集客装置となる共用空間(まちのリビング)の整備、賑わい用途として低層部に商業機能の配置、中通の再整備を行います。
気候変動対応として環境負荷の抑制や災害時のBCP 対策も講じており、オフィス部については、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)※1 において、「ZEB Oriented」を取得する見込みです。また、札幌市の札幌都心E!まち開発推進制度に基づき、「ゼロカーボン推進ビル」の認定を受ける見込みです。
なお、竣工は2027年1月末を予定しています。
※1 建築物の省エネルギー性能の第三者認証による表示制度。
立地
2023年5月末に閉館したダイビルPIVOT 他の跡地に新ビルを建設するものです。札幌市内では大規模再開発が続々と進み国内外からの観光客もより多く訪れ、周辺街区は一層賑わいが増していくものと期待されます。
また、同地はビジネスエリアと商業エリアとが混ざり合う立地であり、札幌駅前通、南2条通、中通と表情の異なる通りに面していながら、積雪寒冷地において特に重要である地下直結という利便性を備えており、そのポテンシャルを最大限に発揮することで街に対する賑わいの創出に貢献します。
コンセプト
「つながりを創出し、伝播させていく」をコンセプトに、商業・オフィス・ホテルの多様な人々の営みの連携により『コト』を、そこに暮らす人々と道外からの人々の相互作用により『ヒト』を、札幌の歴史、文化とこれからの発展により『トキ』をつなぎ、そこで生まれるシナジーを波及させることで、札幌の街にあたらしい風を吹き込むランドマークビルを造ります。
外装では3用途の多様性を、異なる表情のデザインの組み合わせにより表現し、周辺再開発と差別化を行うことで札幌の新たな景観の創出を図ります。
建物概要
- 低層階(商業)
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低層階は駅前通り沿いのメゾネット区画、B2 階区画、北側中通り(通称OYOYO 通り)沿い区画の3つの異なる特徴を持つ店舗で構成された商業施設としています。駅前通り沿いのメゾネット区画はブランドの顔出しによって街並みを彩る路面店舗、B2階区画は日常動線のエスカレーターを設けた地下広場へ開いた店舗、北側中通り沿い区画は小規模区画を集積させた高密度な賑わい空間を創出し、街に開かれた商業施設を計画しています。
- 中層階(オフィス)
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中層階(3階から8階)のオフィスフロアは駅前通り・南2条通り・中通りに大きく開いた整形な空間とし、設備スペースをコア側に集約することで、十分な奥行を確保しつつ小割区画に対応しやすく自由度の高いオフィス空間としています。
- 高層階(ホテル)
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高層階には、ウェディング事業国内大手のテイクアンドギヴ・ニーズが手掛けるラグジュアリーブティックホテル「TRUNK(HOTEL)」(トランクホテル)が開業予定です。2017 年に東京・神宮前に1店舗目がオープン、昨年9 月に東京・代々木公園にも2店舗目がオープンしておりますが、北海道での展開は本プロジェクトが初となります。
特色
- BCP 対応
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・構造には制振ブレースやオイルダンパーを使った制振構造を採用し、強固な耐震性能を確保しています。建築基準法で定められた告示地震動の 1.5 倍の巨大地震動や内陸直下型地震に対しても安全性の検証を実施、JSCA(日本建築構造技術者協会)が定める耐震性能グレードにおいて「上級」に相当します。
・停電時への対応として、72 時間運転可能な非常用発電機を設置することで、防災設備や照明、トイレなどの主要機能ならびに貸室の一部に電力供給ができ、また、10 日間継続利用分の水供給が可能な仕様としています。
・地下2 階地下広場(まちのリビング)に100 人分の帰宅困難者一時滞在スペースおよび防災備蓄倉庫を計画しています。
- 環境性能
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・高効率熱源と大温度差送水システム、DHC(地域冷暖房システム)、Low-e 複層ガラスなどを採用し、環境負荷を抑制します。
・脱炭素に向けた取り組みの一つとして、CO2 フリー電力※2 を導入する予定です。
※2 非化石証書の使用により、実質的に再生可能エネルギー由来の電力。