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【歴史】二美桜も残る、定山渓鉄道「滝の沢駅」跡を辿る

歴史1コメント

滝の沢駅跡(2023年4月30日撮影)

かつて南区豊滝には、定山渓鉄道の「滝の沢駅」がありました。
今回は、その跡地や歴史について辿っていきたいと思います。

定山渓鉄道は、大正から昭和時代にかけて存在した鉄道です。
東札幌から定山渓までを結んでおり、多くの通学・通勤客、行楽客に利用されていました。
1918年10月17日に開業し、1969年11月1日に廃止されています。

「滝の沢駅」は、起点となる東札幌駅から20.77kmの距離にあり、隣には「豊滝停留所」と「小金湯停留所」がありました。
跡地には2本の桜(二美桜)が残っており、案内板が建てられれています。

歴史

この駅が誕生したのは1924年(大正13年)1月1日のこと。
当時は「滝の沢停留所」として設置されました。

定山渓鉄道が開業した1918年(大正7年)当時、簾舞~定山渓間には停留所がありませんでした。
しかし、この周辺の盤ノ沢・滝ノ沢・一ノ沢地域には、明治期に入植した人たちが住んでいました。
更に、定山渓への観光客や貨物輸送量も年々増えることに。

そんな中、「滝の沢停留所」が開業。
小金湯温泉への最寄り駅でもあり、湯治客にも喜ばれました。
また、周辺住民にとっても重要な足となっていきました。

1929年(昭和4年)10月には、電化に伴い「滝の沢駅」が建設されました。
戦後には砥山栄橋の架橋で豊平川対岸の上砥山地区ともつながるように。

周辺では、1952年(昭和27年)に第30回全日本選手権スキー選手権が開催されることに伴い、「黄金山スキー場」が誕生しました。
同大会ではスキー大回転競技場として利用され、高松宮様がこの駅を乗り降りされたということで話題になりました。
その後もスキー競技会場として利用され、スキーヤーにとっても、上級者から初心者まで楽しめるスキー場として人気だったようです。

しかし、札幌市内には藻岩山スキー場などのスキー場も誕生。
黄金山スキー場へ訪れる客が減少し、1968年(昭和43年)シーズンに閉鎖となりました。

そして、定山渓鉄道廃止に伴い、1969年(昭和44年)10月31日に最終運行を迎えます。
その後駅舎は取り壊され、2000年5月7日に案内板が建てられました。

滝の沢駅跡(2023年4月30日撮影)

二美桜について

滝の沢駅跡(2023年4月30日撮影)

八剣山トンネルを越えると左側に見えてくる、ポツンと佇む2本の桜。
これが二美桜になります。

この桜は、昭和6年に植樹されたものとされています。
滝の沢初代駅長の福井正造氏らが沿線の環境美化を目的とし駅構内にソメイヨシノの苗木を植樹しました。
桜の季節には、乗客の目を楽しませていたようです。

定山渓鉄道の廃線後、長らく空地だった「滝の沢駅」跡周辺ですが、1990年代に市道(砥山豊平川沿線)の建設が決定しました。
1999年秋にこの桜の木を「二美桜」と命名。
「二美桜 保存会」によって、末永く保存されることとなっています。

沿革

  • 1924年1月1日 「滝の沢停留所」開業
  • 1929年10月 電化に伴い「滝の沢駅」建設
  • 1931年 ソメイヨシノの苗木を植樹
  • 1952年 黄金山スキー場で「第30回全日本選手権スキー選手権」開催
  • 1969年10月31日 最終運行
  • 1969年11月1日 駅廃止
  • 1999年秋 桜の木を「二美桜」と命名
  • 2000年5月7日 案内板設置

施設情報

住所 札幌市南区豊滝664

参考

  • 定山渓鉄道/久保ヒデキ 著/北海道新聞社