直木賞作家・門井慶喜による新刊『札幌誕生』とコラボ! セイコーマート限定『北海道を駆け抜けた志士・島義勇』が3月19日発売


株式会社河出書房新社は、幕末から昭和にかけ、極寒の大地・北海道でそれぞれの使命に生きた人々を活写した、直木賞作家・門井慶喜による最新小説『札幌誕生』を4月4日に刊行予定。
この刊行に先駆け、本書収録「第一話 開拓判官――島義勇」を収めた分冊版『北海道を駆け抜けた志士・島義勇(しまよしたけ)』(定価990円、112ページ)が、株式会社セコマが展開するセイコーマートの道内店舗限定(一部店舗を除く約1,080店舗)で、3月19日に発売となります。
セイコーマート限定! 傑作短編小説『北海道を駆け抜けた志士・島義勇』


『札幌誕生』は、未知の土地・北海道でそれぞれの使命、信念のもとに生きた5人の人生をたどる感動の物語。その分冊版となる『北海道を駆け抜けた志士・島義勇(しまよしたけ)』は、「札幌街づくりの父」として、今もなお道内で絶大な人気を博す、北海道初代開拓判官・島義勇の溢れる情熱、数奇な運命を描いた傑作短編です。
サッポロがアイヌ語で「広い乾いた土地」の意味だという、その語の由来が納得された。あらかじめ部下から聞いたことではあるけれども、こうして自分でまのあたりにすると、
「いける。いけるぞ」
義勇は、なぜかその場でしゃがんだり立ったりと屈伸運動を開始した。よほど興奮したのだろう。
(『北海道を駆け抜けた志士・島義勇』より)
佐賀藩士・島義勇は、安政3年(1856年)、35歳の時に藩主・鍋島直正の命を受け、蝦夷地(現在の北海道)調査へ向かい、樺太南端部を含め道内を一周。この約4カ月間の調査結果をまとめた「入北記」は現在も一部を除き現存しています。
倒幕後の明治2年(1869年)、函館・五稜郭が維新政府へ明け渡されると、義勇はその実績を買われ、開拓判官として、新たに「北海道」と命名された地へと再び赴くことになりました。
石狩平野の西端、現在の小樽市東部にあたる銭函へ到着したのは雪のちらつく10月半ば。
現地の豪商・白浜園松の援助を得ながら、真冬の札幌開拓に着手し、様々な困難に見舞われながらも、約3カ月で大友堀(現在の創成川)を基準に市内を縦横にまたがる通りの整備を手がけ、現在“碁盤の目”に広がる、美しい街並みの基礎を見事築き上げました。
明治期、厳寒の大地で近代都市の誕生を夢見た男たちの熱きドラマは、まさに『札幌誕生』はじまりの物語。セイコーマート限定のプレミアムな分冊版となります。
『北海道を駆け抜けた志士・島義勇(しまよしたけ)』は、北海道内のセイコーマート店舗限定(一部店舗を除く約1,080店舗)で3月19日発売です。
書誌情報
書名 | 北海道を駆け抜けた志士・島義勇 |
著者 | 門井慶喜 |
仕様 | 46判/平綴じ/112ページ |
発売日 | 2025年3月19日 ※北海道内セイコーマート限定商品 |
定価 | 990円(本体900円) |
ISBN | 978-4-309-03955-8 |
「すべてはここからはじまった――」誇り高き情熱あふれる感動作『札幌誕生』


小作人たちは、ほとんど一斉に口をひらいた。ぎゃあぎゃあという濁った声のかたまりを一つ一つ聞き分けてみると、ありがとがんす。おかげさまで。いかい世話。どうもどうも。恩に着ますけ。忘れませぬ。もったいねえ。冥加(みょうが)に尽きる。助かりましたわ。
語句はいろいろ、抑揚もさまざま。武郎は、
(粗野な)
武郎は作家であり、言葉づかいの専門家である。その耳にこれはまことに粗野なことばの花束、いや、ことばの雑草にほかならなかった。 その雑草に、
「諸君。ありがとう」
のどが詰まり、視界が熱くぼやけた。
(「第四話 流行作家」より)
『札幌誕生』は、北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、河北新報で連載され、「胸が熱くなった」、「翌日の展開が待ち遠しい」と話題を呼んだ、直木賞作家・門井慶喜による、極上の感動エンターテインメント。
わずか3カ月で今に残る近代都市・札幌の姿を形づくった初代開拓判官・島義勇(第一話 開拓判官)、札幌農学校(現・北海道大学)で新渡戸稲造、宮部金吾らと学び、聖書研究に終生身を捧げながら、日本の論壇をけん引した内村鑑三(第二話 ビー・アンビシャス)、アイヌ指導者の娘に生まれ、流転の運命で英国人宣教師の養女となり、のちにアイヌの同胞たちを鼓舞する歌集『若きウタリに』を著したバチラー八重子(第三話 人の世の星)、作家として身を立て、自然回帰、相互扶助の精神のもと、経営する農場を小作人たちへと解放した有島武郎(第四話 流行作家)、甚大な被害を出し続けていた蛇行する暴れ川・石狩川の治水に取り組み、札幌の交易、流通の礎を築いた岡崎文吉(第五話 ショートカット)。
拓かれゆく北の大地・北海道を舞台に、街、人、言葉、制度、川へと挑んだ、5人の並外れた信念、交差する稀代の運命を熱い筆致で描き切った、知られざる闘いと情熱の記録です。
話題沸騰の傑作歴史小説が、4月4日ついに刊行を迎えます。
目次
第一話 開拓判官──島義勇
ロシアへの砦/はじめての蝦夷地/維新/着工/かがり火
第二話 ビー・アンビシャス──内村鑑三
作文/上級生/薄野/夫人
第三話 人の世の星──バチラー八重子
箱庭/聖路加病院/養子/内気な猛獣/若きウタリに
第四話 流行作家──有島武郎
志望校/成功検査/「白樺」/宣言
第五話 ショートカット──岡崎文吉
蛇行の川/屯田兵/試練/岡崎式単床ブロック/選択
書誌情報
書名 | 札幌誕生 |
著者 | 門井慶喜 |
仕様 | 46判/上製/560ページ |
発売日 | 2025年4月4日 ※流通上の事情により一部地域で発売日が異なります |
定価 | 2,475円(本体2,250円) |
ISBN | 978-4-309-03948-0 |
『札幌誕生』刊行記念! 札幌市長・秋元克広さん×著者・門井慶喜さんによるトークイベントが開催決定!
『札幌誕生』の刊行を記念して、札幌市長・秋元克広さんと著者・門井慶喜さんによる特別対談(参加費無料)の開催が決定しました。
北海道、札幌を舞台に、様々な困難へと挑んだ人々を描いた歴史小説『札幌誕生』の著者と、今現在、札幌市民とともに理想の実現、未来の創造に奮闘する札幌市長とのプレミアムなトークイベント。これまで札幌が歩んできた歴史、息づく文化、お二人の札幌への思いなど、縦横に語っていただきます。
『札幌誕生』刊行記念 札幌市長・秋元克広さん× 作家・門井慶喜さん特別対談
日時 | 2025年4月22日(火)14:00~(13時開場) ※対談終了後、門井慶喜さんのサイン会を開催予定 |
会場 | 札幌コンベンションセンター 2階小ホール (札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1) |
主催 | 河出書房新社 |
後援 | 札幌市、札幌市教育委員会ほか |
定員 | 170名(参加費無料・先着順) |
参加申し込みは下記サイトにて受け付けています。
https://kawadeshobosapporo.peatix.com
※受付開始:2025年3月18日(火)正午より
※お問い合わせ先:河出書房新社営業部
TEL:03-3404-1201 MAIL:info@kawade.co.jp