COCONO SUSUKINOにて警備ロボット「SQ-2mk2」による実証実験を実施
SEQSENSE株式会社は、株式会社東急コミュニティーの管理する北海道札幌市に位置する複合商業施設、COCONO SUSUKINO(以下、ココノ ススキノ)にて、複合商業施設の付加価値向上・犯罪対策の効果検証を警備ロボット「SQ-2mk2」を活用して実施しました。
現在、警備ロボット「SQ-2mk2」は全国の施設で巡回や立哨など主に警備用途として使用されています。さらに2023年8月、ロボットの操作端末に入力された文章をロボットに発話させる機能(以降、「音声アナウンス機能」)が搭載されたことで、巡回や立哨だけでなく、周囲の人への情報発信や注意喚起などの目的でも使用されることが増えてきています。
今回の実証ではこの音声アナウンス機能を活用することで、本来の警備業務に加え、万引き対策やイベントの周知・誘導など、施設の付加価値向上を目的にロボットを使用しました。
ロボットの人の目を引く特徴を活かすことで、館内アナウンスに比べ、情報発信や注意喚起、万引きへの抑止力として効果があると考えられ、実証を実施しました。
実施日・場所
実施日:2024年5月31日(金)~6月17日(月)
場所:COCONO SUSUKINO(ココノ ススキノ)(北海道札幌市中央区南4条⻄4丁目1番1)
運用フロア:地下1階から4階
検証内容とその結果
①館内情報発信による施設の付加価値向上
音声アナウンス機能を用いることで、ロボットにイベントの周知や会場までの誘導ができるかどうかを検証しました。
館内で開催されるイベント情報をロボットから流したところ、ロボットのアナウンスを聞いてイベント会場まで足を運んだ方も見受けられ、情報発信の効果が認められました。
これは通常の館内アナウンスで情報発信する場合と比べて、人と近い高さのロボットが動き回りながら情報を発信する方がお客さんの注目を集め、より効果的であったからであると考えています。
②テナントスタッフ支援・万引き等の犯罪対策
テナント前にロボットを立哨させ、万引きを警戒するアナウンスをロボットから流し犯罪対策に効果があるかどうかを検証しました。
検証によってテナントスタッフから「ロボットがいることで安心感が増した」「ロボットが監視していることで万引きへの警戒はロボットに任せられ、他の業務に注力することができた」との肯定的な声を多く受けました。
③早朝・深夜の出入口の監視
ココノ ススキノは、ホテルや映画館を併設する、札幌市営地下鉄南北線すすきの駅直結の複合商業施設であるため、ショッピングフロアが営業していない早朝や深夜にもホテル・駅利用者が施設共通の出入口を利用しています。
そこで、早朝・深夜の時間帯にこの出入口でロボットが立哨監視を行えるかどうかを検証しました。
その結果、異常が起きていないかどうかの監視を遠隔で十分実施できると認められました。
④複数フロアでの運用
通常、ロボットを複数フロアで運用する場合は、ロボットとエレベータを連動させる工事が必要になります。本実証においては工事を行わず、警備員がサポートをしてロボットをエレベータに載せることで、複数フロアの運用を検証しました。
その結果、地下1階から4階までのショッピングフロアごとに前述の『館内情報発信』『万引き等の犯罪対策』『早朝・深夜の出入口監視』といった様々な役割で活用できました。
エレベータとの連動が実現した場合は、各曜日・時間帯スケジュールごとにロボットがフロア移動し、効率的に業務を行えることになります。
警備ロボット「SQ-2シリーズ」について
SEQSENSEは、2019年から「SQ-Guard」という警備ロボットシステムを提供しており、これには自律移動型の「SQ-2」ロボットと運用するためのクラウドシステムが含まれています。このシステムは、警備業務の人手不足を解消するために開発され、管理会社や警備会社の要望に基づいて、全ての機能が自社で開発されています。SQ-2は、SQ LiDARを搭載し、広範囲な検知能力を持ち、建物内でのマッピングや障害物・歩行者の検出、環境変化の監視が可能です。専用のクラウドシステムを通じて、遠隔からのロボット操作や音声アナウンス機能などが提供され、警備員の代わりに実行可能です。さらに、カメラ映像を活用した巡回後の報告書作成や映像の記録再生も可能であり、定期的なアップデートにより、新機能の利用が可能です。